御本尊・本堂

御本尊十一面観世音菩薩

御本尊の十一面観世音菩薩は、右手に錫杖と念珠、左手には蓮華を挿した水瓶を持ち、岩座の上に立つ長谷式(長谷型とも地蔵型ともいう)と呼ばれる、観音と地蔵の功徳を併せ持った観音様です。身の丈約五尺八寸(176.2cm)、寄木造、彫眼

 


 長谷寺本堂

○『勢陽雑記』より

近田山長谷寺 津より西、行程二里。長谷村の山にあり。本尊十一面観音なり。

和州の長谷を移し侍ると也。開山天外和尚は東福寺より移り住せりと云々。いにしへは堂塔も数宇あり、寺領も八拾貫ありけるとや。天正年中の乱世の為に彼
是退転し、今のかや葺幽燈のたよりもなし。伊勢巡礼の札所十三番目とかや。歌に 幾度も参る思ひは初瀬寺 心も清き谷川の水